24話 ページ24
不死川実弥side
白濱の家に着いて、インターホンを押した。
少しすると、白濱は出てきた。
『はい』
「入っていいか」
『……うん』
白濱は俺を招き入れると、冷たいドリンクが用意された。
『……ごめんね、忙しいのに』
「良い」
白濱は、普段と雰囲気が違ってた。
いつもは明るい雰囲気なのに、何処と無く緊張してた。
釣られて、俺も緊張する。
『あのね、どうしても、話したいことがあるんだけど』
「なんだよ」
『嫌になったら言って』
「ん?」
俺が白濱を見ると、白濱は胸を抑えながら話す。
『小学五年生の時に、父の浮気が原因で母が病み、二人は離婚したの』
「……」
『母は病んだままどこに行ったか分からなくなって、父はその浮気相手と結婚して子供も出来て、家庭があるの』
「……」
話を聞いているとあるあるではないけど、よく聞く話だった。
『昔から、母は父に依存していて私を愛してはくれなかった。
父は仕事主義で、私を愛してはくれなかった。
けど、学校に行けば、この家から離れられて、宇髄が居てくれた』
「……」
『宇髄とは、小学四年までずっと同じクラスで、私はなぜか彼にだけ当たりがきつかったのを覚えてる。けど、彼はそれを受け入れてくれてて、小学六年でまた同じクラスになった時、正直ホッとした。』
「……」
『その、五年の時に一件があって、それを担任の先生にクラスみんなにバラされた。
本当にただの事故で』
「……それって」
『親がいれば問題になった。けど、守ってくれる親は居ない。
だからその話が一瞬でクラス中に広がって、そこから学年に広がった。
結果私はちょっとだけ浮いた。だから宇髄を見て安堵した。
彼はそれを知っても、変わらなかったから』
「……」
『私がどうして、あなたを好きになったか。
それは、あなたがとても温かいって感じたからなの』
そう言った白濱の言葉に、俺は驚いた。
25人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時