▼かまって_46 ページ23
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「よしっ」
昨日は洋一くんに背中を押されて、自分の気持ちに気づいた。
「最近屋上ばっか来てるな」
亮介先輩とは屋上で過ごした時間が多くて思い出がある場所だから。もう過去のことなんだけどね。
「そろそろ…行かなきゃ。亮介先輩のところに」
お昼休み、やっぱり亮介先輩は教室にいるよね。
「亮介先輩…」
なんとなく名前を呼んでみる。返事なんて返ってこないのにさ。
亮「なに?」
「え?」
亮「え?ってそんな驚いた顔されても。呼んだのはAじゃん」
いつもの笑顔で見つめてくる。
「あ、えっと…そ、その、「はいこれ」
亮介先輩との距離が急に縮まってポスっと音をたてて私の手に置かれた見慣れたブレザー。
亮「ずっと借りっぱなしでごめんね。じゃ、俺は戻るよ」
「あ…」
なにも言えない。ずっと話したかったことがあったのに。
「行かないで!行かないでください亮介先輩!」
いつにまにか、両手で亮介先輩に抱きついていた。
亮「なに?」
いつもより優しい声。どうしよう…涙がでてきそうだよ…。
でも泣いちゃダメ。泣くのは気持ちを伝えてから。
「私…私、亮介先輩が好きなんです…亮介先輩が冷たくしてきても…」
亮「………」
「それに、私の誕生日に家のドアノブにかけてあった紙袋…あれ、亮介先輩ですよね?」
亮「そうだよ。俺がAのために選んだプレゼント。ていうか…ごめん」
「な、にがですか?」
亮「Aが勘違いするのも当たり前だけどAが屋上で見た俺とあの女の子のキス…」
亮介先輩は女の子が無理やりしてきたこと、告白はずっと断ってたことを話してくれた。
「なら、私に冷たくなったのは単純に冷めたから…ですか?」
一番知りたいこと。でも答えを聞くのに一番勇気がいる質問。
亮「それはない。俺は、多分っていうかかなりAと倉持に嫉妬してた。」
「じゃ、じゃあ…!」
亮「うん。Aのこと好きだよ。だから、俺のことで困ってほしい、俺のことをずっと考えてほしいって思って冷たくして気を引きたかった」
亮「困らせて…ごめんね」
ぎゅっと抱き寄せられる自分の体。
「うっ…ずっとっずっとこうしてほしかった…!」
亮「ほんとに…ごめん。…でも」
亮「俺はもうAの彼氏には戻れない」
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あみ - 凄くいい小説でした。最初は倉持夢から読んで亮さん夢を読み、二遊間好きの私はもう終始うるうるしておりました。最高の作品をありがとうございました。 (2018年1月14日 0時) (レス) id: 53acff3bbe (このIDを非表示/違反報告)
HK - 鳴が良いなぁ (2017年6月24日 0時) (レス) id: 5bd322c82b (このIDを非表示/違反報告)
チロルチョコ(プロフ) - 亮さぁぁぁぁぁぁぁん!!!!イケメン過ぎる……!! (2015年12月20日 23時) (レス) id: 55376c9882 (このIDを非表示/違反報告)
アシュ(プロフ) - もっちー!!もっちー先輩がいい!!あ、二遊間コンビの取り合いとか!! (2015年4月1日 18時) (レス) id: 105752f8c0 (このIDを非表示/違反報告)
あいななせ(プロフ) - るるさん» 倉持は亮さんがまだ好きな夢主の背中を押して引き下がりました。46参照です (2015年4月1日 15時) (レス) id: 31bdb39c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいななせ | 作成日時:2014年4月20日 16時