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『…帰ろう』
「あ…うん」
唇を離した壱馬は、私の手を掴んだままさっきよりゆっくり歩き始める
どうしたら壱馬が納得してくれるのか
頭でいくら考えたってわからなかったから苛立ちをぶつけるようなキスを受け入れた
壱馬に流されてみたら、同じ気分になれたらわかるかなって、淡くそう思ったけどダメだった
どうしたらいいんだろう…
私はただ、出会った頃みたいな無邪気な笑顔の壱馬に会いたい
なにも考えずにAと呼んで、ご飯を美味しいと食べてくれて、
隣に座ってアイス食べて
そんな姉弟に戻りたいだけなんだよ
頭の中に蘇るあの瞬間も、あの時間も、全て壱馬の中には私への恋心があったのかと思うと少し苦しいけど
諦めてくれるどころか、日に日に強くなっていく彼の思いを受け止める術もなく
ただただ近くにいる事がよくないって、それだけはわかる
少しでも距離を置いたほうがいい
きっとそう
きっと、そうなんだよ
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ぬう(プロフ) - おこめさん» 他の方の作品を盗んだ事はございません。ご不快なようでしたら申し訳ございませんが、こちらの作品ページは閉じて下さいませ。 (2022年7月4日 19時) (レス) id: e513f955a5 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 題名の月下美人、同じ題名で臣くんのお話書かれてる方いらっしゃるのですが大丈夫ですか、、、? (2022年7月3日 16時) (レス) id: dc9901e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2022年7月1日 23時