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『こっちは好きな人に振り向いてほしくて必死なの。わかんない?』
「わ、わかってるよ…」
『わかってんなら聞くなよ』
「ごめっ、っ!」
低い声が私の耳を通ったと思ったら
私を囲うように後ろのベッドに付いた壱馬の両腕
唇に当たる柔らかな感触と、壱馬の吐息…
「んっ…んぅっ!!」
"やめて"そう言って逃げようとした口の端の隙間から、
壱馬の舌がヌルッと滑り込んできて
囲うように付いていたはずの壱馬の両腕は、私の頭と背中にあった
「はぁ…め……だ、め…」
ドンっと壱馬の胸を押すけど、びくともしない
子供だって、思い込んでた壱馬の筋肉質な腕を掴んでもなんの抵抗にもならない
彼は男なんだと、こんな時に知る
「やぁ…だ…」
目の端から、涙が流れる感覚があった
ゆっくりと離れて行った壱馬は、私のその涙を親指で拭うと
『ごめん…泣くな』
伏し目がちに謝る
そして、
『諦めないから』
そう言って微笑む
「だめだって…あの時…」
『うん、でもそんくらいで諦められるくらい半端なもんじゃないし。』
「そんな…」
『覚悟しといて?俺本気だよ。』
ニコリと涼しい顔で笑う壱馬は、サッと着替えると俺飯食ってくるから、と部屋を出て行った
私は驚きで腰を抜かしてその場から動けずに
ただ壱馬の言葉を頭の中で繰り返していた
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ぬう(プロフ) - おこめさん» 他の方の作品を盗んだ事はございません。ご不快なようでしたら申し訳ございませんが、こちらの作品ページは閉じて下さいませ。 (2022年7月4日 19時) (レス) id: e513f955a5 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 題名の月下美人、同じ題名で臣くんのお話書かれてる方いらっしゃるのですが大丈夫ですか、、、? (2022年7月3日 16時) (レス) id: dc9901e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2022年7月1日 23時