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第3話 ページ25

目の前に立つは今は廃となった建物。かつてはいくつかの企業が入っていたのだろう。しかし、その面影はもうない。

 代わりに、ずずず、と禍々しい雰囲気が漂っている。恐らくは呪霊の雰囲気だろう。

「いますね、呪い」

 あ、やっぱりと少しだけ自信が付く。自分よりも賢い人とテストで答えが一緒だった時の様な気分だ。

 つまり、1年である伏黒のが2年であるAよりも強いのである。



「嘘つきー!!」

 六本木ですらねー! と叫ぶ2人組――――虎杖と釘崎。何故2人がこうなったのかと言えば、数十分前に遡る。



「それでは行き先を発表します」

 静まれ、と言いながら五条は手で、はしゃいでいた虎杖と釘崎を鎮めた。鎮まった2人は王から命を受ける騎士がごとく、頭を垂れた。

「六本木」

 五条はキリッと決め顔をしながら言った。

 六本木? 言われたおのぼり2人はキュンキュンと胸を高鳴らせた。



「地方民を弄びやがって!!」

 そして、今である。

「やっぱ墓とかって出やすいの?」

 ぎゃあぎゃあと叫ぶ釘崎とは別に、適応能力が強いのか虎杖はすぐに切り替えて、建物――――廃ビルの説明をしていた五条に聞いた。

 五条曰く、この廃ビル自身と、そして近くの霊園のダブルパンチで呪いが発生したそうだ。

「墓地そのものじゃなくて」伏黒が説明する。

「墓地=(イコール)怖いって思う人間の心の問題なんだよ」

 それにAも、そうそうと付け加える。

「墓地は怖い所じゃないんだよ、故人と生きてる家族をつなぐ場所なんだから。まあ、人骨を塵として捨てたり、埋めたりしたら犯罪になっちゃうからお墓に入れたって方も中にはいるかもしれないけど」

 そうだとしても、虎杖くんは怖がったり変なイメージを持たないでね、と言えば「うっす!」と生きの良い返事が返って来た。

「ちょっと待って」

 釘崎が怪訝な顔をする。

「コイツ、そんなこと知らないの?」

「実は……」



「飲み込んだぁ!? 特級呪物をぉ??」

 伏黒と五条から、虎杖悠仁の経緯の説明を受けた釘崎は、顔の前で手でバッテンをつくる。

「きっしょ!!! ありえない!! 衛生概念キモすぎ!!」

 無理無理無理無理、と言う釘崎に虎杖は顔をしかめる。「んだと?」

「これは同感」

 伏黒がこっそり言うのを聞いて、Aも内心いいね! した。

 口には出さないが、同感である。

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しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます! これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください! (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます! (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作!? ありがとうございます! 嬉しいです!! コメントもありがとうございました! (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀`)bグッ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゆ | 作成日時:2020年10月28日 22時

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