【両面宿儺】コイツは俺の女だが？

−３ ページ20

【 A side 】






伊地知「 “帳” を下ろします。お気を付けて。
"闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え"」




虎杖「夜になってく！」




釘崎「無知め」




伏黒「 “帳” 今回は住宅地が近いからな。外から俺たちを隠す結界だ」






恵くんが悠仁にそう説明すると、玉犬を出した。


⋯さっき ここの施設にいる人の母親が息子の安否を私達に尋ねてきた時に恵くんは乗り気じゃなかったところを見ると、恵くんもちゃんと情報に目を通したのかな。


正直、善悪とか差がよく分からない。


恵くんがここの人たちを助けることにあまり乗り気じゃないのは分からなくもないけど、人を助けたいって気持ちもあるから。


でも、私は今回の任務を遂行するだけ。






「 Aが助けられる人は助けてあげて。
貴女は強い子だもの 」






『( ⋯で良いんだよね？お母さん )』




釘崎「A？大丈夫？」




『！ 大丈夫、ありがと』






考え事をしていたからか、野薔薇が声を掛けてくれたことで意識を戻すと、皆の後ろについて入って行く。


すると、中は入り組んでいて 建物の中とはとても思えない様になっていた。


⋯嗚呼、なるほど。






虎杖「？？ どうなってんだ！？2階建ての寮の中だよな ココ！」




釘崎「おおお 落ち着け！メゾネットよ！！」




伏黒「⋯⋯違ぇよ」




『生得領域だけどまだ未完成だから大丈夫。

恵くん 私の子も(・・・・)出そっか？』




伏黒「いや、俺の玉犬だけで平気だ」






どうやら、恵くんの玉犬が出入口の匂いを覚えていたようで、帰りの心配はなかった。


ドアの心配をしていた2人が緊張感なく踊っていたからこっちも緊張なくなっちゃったなぁ。

もちろんいい意味で。






虎杖「わしゃしゃしゃしゃしゃしゃ！」




釘崎「ジャーキーよ！！ありったけのジャーキーを持ってきて！！」




『ﾊｯ!! 今ジャーキー持ってない！ごめんね わんちゃん！』




伏黒「緊張感！！⋯しかもAまで⋯。」






あ、ごめん恵くん。私もつっこむ(そっち)側にいるべきでした。


ボケ3人はツラいよね。(違う)






虎杖「やっぱ頼りになるな、伏黒は。オマエのおかげで人が助かるし、俺も助けられる」




伏黒「･･････進もう」




『･･･』






･･･恵くん、複雑だろうなぁ。

−４→←−２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す