第三十二話 "人張" ページ39
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「あっ、ソレさっきも使ってたヤツ!」
虎杖くんが私の御札を指差す。その手にしっかり付喪神を抱えながら。けっこうシュール…。
『コレはさっきのとはちょっと違うよ。さっきのは呪霊から見えなくする御札だったけど、コレは呪霊や呪詛師、その他諸々悪意や殺意を持つ存在から"一撃だけ"無効にできる御札だから』
「一撃だけ?どんな攻撃でも??」
『そ。お義兄ちゃんの"茈"だろうが両面宿儺の生得領域内での攻撃だろうが、最初の一撃だけは完璧に無効化できるの!』
「へぇ、そりゃまた凄いわね」
それに何より、この御札は持ち主に攻撃した諸々の居場所や呪力を瞬時に私に伝達する効果と、追跡できるようになる効果もある。
つまり一度持ち主が攻撃されれば、その持ち主を攻撃した相手の情報が私に筒抜けになる感じだ。
その代わり、"人張"を重複して使うことはできない。
一度使ったら、その御札の効果が切れるまで使えない。だから藤沼さんには渡せなかったんだよね。ごめん、藤沼さん。
私は"人張"の御札を野薔薇ちゃんが摘まんでいる付喪神に渡した。
付喪神はそれをしげしげと眺め、小さく首を傾げる。
『これを東京都立呪術高等専門学校の伊地知さんまで届けて。ついでにこの御札の持ち主の護衛もすること。二級術師が居るだろうから、何かあったときはその人とも上手く連携してね』
「ア"ッウ!」
付喪神が、了解した!というジェスチャーをして、野薔薇ちゃんの指から抜け出た。
虎杖くんが抱えてた付喪神もちゃっかり逃げ出している。
私はスマホを取り出して、新田さんに電話をかけた。
『新田さん、こっち終わったんで"帳"上げてください!』
「えっ、もうっスか!?何してたんスか??」
『よろしくですー』
答えるのがめんどかったので、新田さんの質問には答えずに通話を終了する。ごめん、新田さん。
"帳"が上がったのを確認すると、二体の付喪神はふわりと宙に舞い上がり…爆速で東京に向けて飛び出していった。
「はやっ、え、はや!!」
虎杖くんがビックリしたように付喪神の後ろを目で追った。
ふふん、私の付喪神ちゃんは優秀なのだ!!
心の中でちょっとドヤったのは私だけの秘密。
……ちょっと待って野薔薇ちゃん。そんな引いた目で見ないで。
もしかして口に出てた!?ねぇ!!ごめんって!!!
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