第十七話 独白 ページ21
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当時、お姉ちゃんの"教育方針"で、私は"自分の呪力を抑える"方法しか学んでいなかった。
せめて高専に入学するまでは、私を一般人として育てたかったみたい。
お姉ちゃんはたぶん、私に呪術師になってほしくなかったんだと思う。
それでも私を守るためには、高専からの保護と援助が必要だった。
…お姉ちゃんはいつだって、私を守ろうとしてくれた。あの日も、そう。
生徒たちのところに居たはずのお姉ちゃんが、呪霊の後を追うように部屋に飛び込んできて。
何もできなくて、頭が真っ白になって立ち尽くしていた私を庇って、お姉ちゃんは自分の持ってる呪力を"全部"使って私を高専の教室に飛ばした。
お姉ちゃんの部屋からは一番遠い場所にあった、一年生の教室に。
だから私はお姉ちゃんの最期を見ていない。気付けば窓から見える教師寮からは爆煙が上がってた。
しばらくして、お義兄ちゃんが私の安否確認に来てくれた。
それからのことは…よく覚えてない。ただお義兄ちゃんが抱き締めてくれたのは覚えてる。
気付いたら全部終わってた。…全部。
私は、何も出来なかった。力はあったくせに、お姉ちゃんよりずっと強かったくせに…使い方を、全く知らなかった。
後悔ばっかりで、ずっと泣いてた。お葬式のときも、納骨のときも、泣きすぎてお姉ちゃんのこともまともに見られなかった。
なんでお姉ちゃんに甘えてばっかりだったんだろう。
なんで鍛錬してこなかったんだろう。
なんであのとき、戦えなかったの。なんで動けなかったの。
なんで、なんで、なんで、なんで、なんで…!!!!
『だから』
ポツリと呟く。顔を上げて、静かに聞いていてくれた2人の目を見据えた。
『もう二度と、大切な人を失いたくないって思った。そのために強い呪術師になりたいの』
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