〜jaejoong〜約束　５２

変わらない人、見慣れない風景 ページ39

韓国へ向かう飛行機の中では
なるべく楽しいことを考えようとした


久しぶりにユンさんと会って
あのプデチゲのお店には絶対また連れて行ってもらおう
コスメも大量に買って
エステも垢すりもしよう

彼の母国だから興味を持って
彼の母国だと思うとますます好きになった国


それは考えないように

ただ、友達に会いに行く感覚

エコノミークラスに座るのは久しぶりな自分が
何度も彼らを思い出しそうになったけど

韓国に行けば何かが変わる気がして
ワクワクしていたのも事実だった


７月の韓国は日本とあまり変わりなく

仁川空港で私を待っていてくれたのも

なにも変わっていないユンさんの姿だった


金浦でなく仁川を選んだのもわざとだった
金浦は思い出すから


ﾕﾝ「Aさーん！」

満面の笑顔で手を振っている

今までのように私を待ってくれていたユンさんを見た時
胸がきゅうっと締め付けられて泣きそうになった


A「久しぶり！元気そうだ〜」

ﾕﾝ「うん、元気元気。ありがとう、心配して来てくれたんだよね」

少し申し訳なさそうに言った


そうだ、最初は来れなくなったユノの代わりになればと思って
韓国行きを決めたのに

すっかり忘れていた

『今』を抜け出したくて
ユンさんのところに逃げてきた気分だった


いや、実際そっちのほうがもう勝っていた


A「違うよ。私がただ会いたかったから」

ﾕﾝ「あはは、ありがとう、嬉しい。」

私のバッグを持って前を颯爽と歩く

後姿が、充実した生活を送っていると語ってるように
ユンさんが輝いて見えた


タクシーに乗ってソウルを目指す

窓から見える景色は金浦と違って

やっぱり仁川にして良かったと、思っていた

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