隣の席のかっちゃん (ページ49)

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49.まだ隣にいてもいいですかページ49

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「……日本だ……」

お見送りはいらないと家族と相澤先生に伝えたため、空港に出ても一人だった。

しかし久々のJAPANに困惑が止まらない。道行く日本人、聞こえる日本語、見覚えの無さすぎる建物、知らない看板。

スーツケースをがらがら引きながら、ふらふらと歩き回る。

まずは雄英に報告に行くべきだ。特急の切符を買おうと駅に向かう。

「おいクソ女」

「……え」

声ですぐに分かった。

罵倒の仕方も変わってない。

振り返って認識できたつんつん頭。

眉間に皺寄って、不機嫌そうな顔。

少しだけ大人っぽくなっただろうか。

ああ、久しぶりだ。

「ふふ、なんでいるの？」

爆豪くん。

「……言っただろ、」

俺のサイドキックにしてやるって。

そう言って、彼はあの日みたいににやりと笑う。

まだ私は、君の隣にいられるようだ。

嬉しくて、嬉しくて、私は気付いたら爆豪くんを抱き締めていた。

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(おい、何すんだ)

(……ただいま、爆豪くん)

(……ああ、おかえり、A)

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ただの隣の席の男の子だった彼が、この先愛すべき隣人になるということを、この時の私はまだ知らない。

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おわり