38.謝るなんてお前偽物か？ ページ38
私の中の爆豪勝己は謝罪なんてしない！！
・
「……あー…悪かったよ」
「え、」
連れてこられたのは空き部屋の前の人気の無い廊下だった。
ベンチに座った後に爆豪くんが放った第一声はまさかの謝罪で、思わず目を丸くした。
ついでに言うと少しだけ赤面も添えて。珍しく歯切れの悪い言い方で。
……ちょっと待って、まさか爆豪くん、
「………え、覚えてるの？」
「俺のことなんだと思ってンだ」
「だって、何事も無かったみたいに……わ、待ってなにそれやば」
「赤くなってんじゃねぇよ！！！」
「うるさいよ！！！爆豪くんも人のこと言えないよ！！！！」
なんと、あの後平然と暮らしていた爆豪くんが、あの夜のことを覚えていたのだ。
てっきり彼の記憶から消されて無かったことにされるのかと思っていたのだ。まさか謝られるなんて想像できるだろうか。
そしてなんでこのタイミングで顔を赤くしているのか分からないよ爆豪くん。キスしたときもその後も顔色一つ変えなかったくせに。
「いいよ、別に」
「……あ？」
「そんな嫌じゃなかったし、誰かに見られた訳でもないし、これは二人の秘密ってことにしておこう」
「ちょ待て、まだ話は」
「じゃおやすみ」
早口で言い放って立ち上がる。
この真っ赤な顔をいつまでも爆豪くんに晒したくない。
あと、この胸の痛みをどうにかしたい。
・
(彼といると、どうかしてしまいそうだ)
39.不安定通り越して逆に安定してる的な→←37.だーーーれの顔がりんご飴じゃ
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作者名：- | 作成日時：2017年8月15日 6時
