Care house.+*

ドーナツ5 ページ6

淳太side




先生に聞いた結果、
食べたい物があるなら食べてええですよ、
そんな、答えが返ってきた。




まぁ言うて、大毅はきっと
ちょっとしか食われへんのやろうけど。



本人が食べたい言うてるし
俺もお腹減ったからドーナツ買ってこよ。



車で30分ぐらい走ったかな。
ゆっくりゆっくり、
街の景色を見つめながら走行して
やっとこさ、1週間前まで
入院してた病院の近くまで来た。



この病院の近くに、
小さなドーナツ屋さんがあって、
昔から何かある度に買ってたドーナツ。



妻はいちごのドーナツ、
俺はチョコレートのドーナツ、
そして大毅は、オールドファッション＿。



好きなドーナツがバラバラでも
3人で仲良く食べたドーナツは
どれもこれも、思い出になってて、



カランコロン、と優しいベルが鳴れば
「いらっしゃいませ！」と
元気且つ優しい店員さんの声がした。



「テイクアウト、ええですか？」



一応そう聞けば、「もちろん！」と
これまた元気よく返ってきて、
ショーケースでどれがええかな、と選ぶ。



新作、何て書かれた
小さいコロッとしたドーナツなら
大毅も食べられるかな、って思ったけど
やっぱ大毅は新作じゃなくて
オールドファッション食べたいんやろな。



もちろん、
妻が好きないちごのドーナツも買って



久しぶりにテイクアウト用の箱に
仲良く3つ並べて貰って店を後にした。

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