小瀧くんの専属××

Secret1 ページ1

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これは、狙った訳じゃない。

むしろ、人生最大のピンチ。




綾「大丈夫だから！そんな緊張しないで。

会ったら案外普通の人達だし、逆にうるさくて大変だよ？」


柚「何をそんなに恐れてるのさ笑

Aらしくないなー笑」




プロのヘアメイクアーティストを目指して4年。

専門学校で知り合った北川綾乃先輩の運転で
今日からの職場に移動中。


隣には、同じく専門学校で知り合った、親友の
田内柚が、茶色がかった可愛らしい巻き髪を
指の先にクルクル巻き付けて遊んでいる。


私だって、この日を楽しみにしてたし、
いつかこの日が来ることを夢見て、
今日まで頑張ってきた。



だけど、昨日。

たった昨日。



綾乃先輩と一緒に働いていた方が二人も急に辞めて、私達二人が応援を頼まれたわけだけど。



その担当の芸能人は、
どうもグループらしくって。



んでもって、関西のグループらしくって。



嫌な予感がしたから、私は断ったんだけど、




どうしても助けが必要だ、って




担当してるグループは7人なのよ、って




大好きな綾乃先輩が、とても焦ってたから


渋々お受けしてしまったってわけ。





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綾乃先輩の、私を安心させようとする言葉も

柚の、私を元気づけようとする言葉も

非常に申し訳ないんだけど、今の私の耳には

入りそうになかった。



やっと、やっと、現実を受け止め始めて

絞り出した第一声は、








『私、ジャニーズWESTさんのこと

何も知らないんだけど……』






22年間生きてきた中で1番大きな嘘だった気がする。

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