漂流 (黄) (ページ29)

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サチにも翌日に同じ相談をしたら、桐山さんと全く同じことを言われた。

「ビクビクし過ぎ！何年前にあげたストラップだと思ってんの？それをずっと付けてるってことは、Aのことを少なくとも特別な人だって思ってるって事でしょ？」

確かに。
私は、ビクビクしすぎてたのかもしれない。
何しろ、じゅんちゃんと別れてからまともな恋愛をしていなかった。
一番最後に付き合った元彼には、「マジで俺に愛される気あった？」と言われて振られたし、その前の人には「俺の事好きじゃないだろ」と言われた。

今だから思う。多分、本当はそんなに好きじゃなかったのかもしれない、と。

付き合わないか、と向こうから言われて付き合い、せいぜい１ヶ月か2ヶ月で向こうが愛想を尽かして別れる。

ずっとそのパターンだったから、自分に魅力があるのかも疑っている所もあったし、人の事を好きになれないのかもしれない、と自己嫌悪に陥ったことも。

「でも、ここからどうすればいいのか分からなくて…」
「そうやってウジウジ考えてるからいけないの！」

今から私が言うことをその人に送りなさい、とサチが言った。

「大事な話があるから、空いてる日無いかな？」
「えっ、それ本当に送るの？」
「当たり前でしょ、いつまでウジウジしてれば気が済むの」

…確かに、サチが言うことは正しい。
一か八か、送ってみることにした。