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55 望 side ページ11

望 side






––––––––––––話し合いの結果。




淳太くんとシゲと濱ちゃんが反対。



照史くんと流星と神ちゃんが賛成で。




俺の意見はあまりにもふざけていたため却下され、無効票らしい。



まぁいうなれば、中立ってところかな。






「ていうかそもそもあの子、仕事引き受ける気ないんちゃう?」






思いついたように濱ちゃんが言った。





そうだった、彼女は自ら



「出来ない」と言っていたんだった。






「なら、俺らが悩んでもしゃあないやん(笑)」






流星の一言で、話し合いは終了。




淳太くんはまだ何か引っかかっているような顔をしていたけれど。






「よっしゃ、稽古稽古!」






と、無理に切り替えたようだった。
















あれは、彼女が大阪に来て5日目だったかな。






刻一刻と迫る、舞台の初日。



毎日がバタバタで、目の前にあるやるべきことをこなすだけで精一杯の毎日。




パンクしそうな頭を抱えて、稽古場の隅に倒れ込み休憩していたときのこと。






「はぁ、あっつー・・・・!」




「・・・・、小瀧くん」






その日も朝から稽古を見に来ていた彼女が、俺の隣にしゃがんで顔を覗きこんで来た。







「・・・・っわ!びっくりした」







飛び跳ねて驚く俺に、あっ、ごめん、と謝りながら飲み物を差し入れてくれて。



渡されたものを受け取ろうとした瞬間、少しだけ触れてしまったその指先が、とても冷たくて。





自分でも理由はわからないけれど、すぐに立ち上がろうとした彼女を・・・・



思わず引き止めてしまった。






「・・・・っ、あの!」



「・・・・・・・・・・ん?」






下ろした髪を耳にかけながら小首を傾げ、不思議そうに俺を見る。






(可愛い、可愛い、あかん、可愛い。)






呼び止めたものの、まったく言葉が出てこない。







「・・・・? どうしたの?」






ふふっと笑いながら、だけど少し眉を下げた彼女を見て、何でもいいから話さなきゃ!と焦った俺。







「・・・・っ、お、大阪、どう?」






なんて、わけわからんことを聞いてしまった。








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のの - とても面白くて引き込まれます!!更新されるの楽しみにしてます!! (2018年11月1日 16時) (レス) id: 365eb0a412 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - Momijiさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると、作ってみてよかったなぁと思えます( ´艸`)亀更新ですが、これからもぜひ見てやってください! (2018年9月23日 14時) (レス) id: 5e11c879ce (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - たたろんちーの。さん» コメントありがとうございます!見てすぐ直させていただきました。言われなければいつまでも気づかなかったかもしれませんε-(´∀`; ) (2018年9月23日 14時) (レス) id: 5e11c879ce (このIDを非表示/違反報告)
Momiji(プロフ) - とても感動して 一気に読んでしまいましたw これからも楽しみにしてますヽ(*´∀`)ノ (2018年9月20日 12時) (レス) id: 2e55428159 (このIDを非表示/違反報告)
たたろんちーの。 - 47が2つありますよ! (2018年9月19日 22時) (レス) id: 095122a28b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カンナ | 作成日時:2018年9月19日 17時

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