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きっと、次の春にもあの時のように綺麗で色鮮やかな花びらを付けるんだろうな。
僕が見上げた先には、紅葉も過ぎて、葉が散りだした大きな木が立っている。
最後にもう一度、あの花を見たかったような気もするけれど、そんなに待ってはいられない。
もう、僕にはどこにも帰る場所などないのだから。
そう言うと、あの先輩はすごく怒るだろうな。
だけど、やっぱり、あそこはあの先輩の帰る場所なのであって、僕が帰る場所ではないのだ。
もう心の決心はついている。
思い残すことも、あんまりない。
楽しかった思い出も、生まれた場所も、誰かの優しさも、自分の仕方なさも、何もかも全部あの鞄と一緒にあそこのゴミ捨て場に置いてきた。
辛いことから、逃げてしまおう。
きっとそれは、仕方のないことなのだ。
仕方がないから、逃げるしかないのだ。
僕の手には、今、脚立とロープが握られている。
そして、脚立を目の前の木のそばに立て、一段ずつ上ると、一際太い枝に手を触れた。
折れてしまわないか、揺すったり、しならせてみたり、何度も何度も確認した。
この枝なら、重いものをぶら下げても、折れたりしなさそうだ。
だから僕は、その太い枝に、ロープをしっかりと結び付けた。
これで準備は整った。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
