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ポケットの中で震え続けるスマホを慌てて取り出し、震える指で通話ボタンをタップして耳にそれを押し当てた。
「柔君、今何してるん？！もう授業始まってんで！」息を整える暇もなく、俺はまくしたてるように電話の相手に声を荒げた。
『そんなことどうでもいいから、とりあえず今から学校出てこっち来い！』
電話の向こうでも、俺以上の慌てた声が響いている。
周りの環境音が聞こえるから、どうやら電話の主は外にいるようだ。
「どこにおるん？！」
『えっと！とにかく３丁目のコンビニわかるだろ？！そこで待ってるから５分で来てくれ！頼む！じゃあ待ってるからな！』
一方的で無茶な要求だけ俺に伝えると、電話の主は俺の返事も聞かずにそのまま電話を切ってしまった。
けれど、あのいつも冷静な柔君があそこまで慌てた声をあげるのは聞いたことがない。
サッカーの試合の時も、勝った時も負けた時も、あの悪夢のような日だって、彼はどこか達観しているというか、内心に秘める思いはあるのに、それを爆発的に表に出すことはしない人間なのだ。
やはり、何かあるんだ。
頼まれてしまったからには俺もこうしてはいられない。
すぐさました下駄箱まで転がるように走り抜け、下靴に履き替えて学校を飛び出した。
そして、校門を潜り抜けて車道へ飛び出したまさにその時、
「あれ？舜太？」と、見覚えのある顔とすれ違った。
「さ、佐野先輩？！何してるんですか？」
眼鏡をかけて、破れた制服姿の人と一緒に、佐野先輩が驚いた表情を浮かべてこちらを見ている。
こんな時間に、一体佐野先輩まで何してるんだ？
「いや、俺達は…まぁ色々あってさ、今から帰るとこ。お前は？何でこんな時間に外なんか出てるんだ？」
「あぁ、ちょっと急用で！先生になんか適当に言い訳しといてください！ほな！！」
先輩には悪いけど、今は立ち話をしている時間はない。
一体何が待っているのかわからないけど、俺は今すぐ柔君のところへ行かなければいけないのだから。
後ろで佐野先輩が「どこ行くんだよ？！」と呼びかけているが、俺はその叫びを無視して、一目散に目的地へ向かうのだった。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
