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だから、もっと早く、もっと速く。
俺の足、もっとはやく動いてくれ。
その願いは、しかし、神様にはどうも届かなかったようだ。
骨折していた部分が段々と痛んできて、走る速度も見る見ると落ちていく。
それでも足を動かすが、右足を踏み込んだ瞬間に激痛が走り、俺はその場に勢いよく倒れこんでしまった。
肩に下げていた鞄は道路に投げ出され、手に持っていたメモ用紙がヒラヒラと宙に舞う。
そこには、『ありがとうございました。さようなら』と、走り書きされていた。
俺は立ち上がろうと足に力を入れるが、激痛がまたも足全体に走る。
医者には『無理な運動や激しい動作は止めてくださいね。治ったと言っても、あなたの足はもう無理できないんですから』と、言われていたっけな。
日常生活には確かに何の支障もなかったから、すっかり忘れそうになっていたけど、本当にただこれっぽっち走っただけで、こんなに足が痛くなるなんて。
だけど、こんなとこで寝てられない。
この鞄の持ち主に、文句を言ってやらなければならない。
こんなことで負けるなって。
こんなことで逃げるなって。
逃げてばかりの俺が言うのも何だけど、俺はあいつにそう言わないと気が済まない。
痛みに耐えて、無理矢理俺は立ちあがり、再び走り出す。
俺の足なんてどうなろうと構わない。
だから、お願いだ。
間に合ってくれ…
けれど、こんな足でどこまでできるのか。
朝日が完全に顔を出し、眩い光が街を鮮やかに染めていく。
夜のうちにたまった露が朝日に照らされて、キラキラとまるで星のように輝いていた。
俺がそのまぶしさで、目を細めた瞬間だった。
その光の中で、とある人物が俺の前を通り過ぎたのだ。
「お、お前…」
「え…？な、何でこんなところに…？」
高校の鞄を肩にぶら下げ、手にはボールネットに入ったサッカーボールを引っ提げたその人物は、まるで俺を幽霊でも見るような目で見てくる。
だけど俺には、光の中現れたその人物が、この危機を脱する救世主に見えたのだ。
「なぁ、頼む…。助けてくれ！
柔太朗！！」
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
