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教室の扉を潜ると、すでに彼は窓際の一番後ろの席で、肘をついて窓の外の景色を見つめていた。
外の景色は昨日とは打って変わって、雲一つない秋晴れが広がっている。
しかし、俺の心は昨日の曇天のようにどんよりと暗く曇っていた。
昨日の、全てが、俺の心を曇らせる。
自分がしたことも、窓際で外を眺めている彼にされたことも、その全てが悪夢となって、昨晩は一睡もできなかった。
それでも、俺は重たい足を引きずって、窓際の彼の席まで歩を進めた。
幸い、一つ前の席に座るはずの彼はまだ来ていない。
「お、おはよう…塩��君…」と、驚くほど小さく掠れた声で、俺は彼に頭を下げた。
そして、「これ…」
誰にも見えないように、俺は塩��君の机の上に小さく畳んだ五千円札を静かに置いた。
それを、横目でちらっと確認した彼は、すぐまた窓の方に視線を戻していた。
「何これ」
まるで上の空のような声だった。
「昨日は…ごめん…。途中で…帰っちゃったから…。カラオケの代金…。これで、足りる…？」
「いらない」
そっ気のない返事で、彼は窓の外を眺めたまま。
「で、でも…」
「いらないって。その代わり、今日の放課後も、校門前な」
俺の心臓が跳ね上がる。
今度は一体何をされるのだろう。
不安と恐怖が頭をよぎる。
しかし、それを拒んでも、あの写真をばらまかれたらもっと悲惨なことになる。
もう俺に、選択肢などない。
「はい…」
そう言う他ないのだ。
「おはよう仁人、太智。何の話してるの？」
そんな俺達のすぐ後ろで、佐野君がいつもよりは血色のいい顔色で立っていた。
俺の心臓が再び大きく跳ね上がる。
昨日の罪悪感が蘇り、佐野君の目も見れず、俺は「あ、お、おはよう…」
それだけ小さく答えて、その場から逃げるように自分の席に戻っていった。
「仁人、今日も元気なさそうだな…」
「どうでもいいよ…あんな奴…」
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
