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でも別にいい。
黙ってられない。
こんな奴が人の親だなんて、俺は無性に腹が立つ。
「何だ君は。君が毎晩うちの息子を連れだしてるのか？一体何のつもりなんだか。そのなりじゃ、碌な育てられ方もしてないようだが」
人を蔑んだ検算するようなその目は、俺の怒りを更に激しく高ぶらせる。
「俺の事なんかどうでもいいだろ？何でこいつが家に帰らないか考えたことあるか？！お前みたいな―
「やめて！！！」
今にもこの男に掴みかかりそうな俺の言葉を遮り、宮世君はエントランス一杯に広がる大声を上げて、俺の服を引っ張っていた。
「お父さんごめんなさい…。この人は、僕が一人で出歩いてたから気を使って一緒にいてくれただけです。それでこうやって家まで一緒に送ってくれた、それだけです。とってもいい人なんです。それに、これからはちゃんと家にいますから…」
「いや、別にいなくていい。いないほうが俺の仕事もはかどる」
その男には、俺の言葉も、あろうことか宮世君の言葉も、まるで通じはしなかった。
本当に、ただの邪魔な物を置いて行くように、宮世君の父親というやつはマンションのエントランスを出て姿を消していったのだった。
「先輩…本当に、ごめんなさい…」
視線の先で、宮世君はその大きな瞳から、大粒の涙が流れ落ちていた。
「何でお前が謝るんだよ…」
「ごめんなさい…。先輩は、東京で唯一僕に優しくしてくれた人です…。ありがとうございます…。僕と一緒にいると、またお父さんに嫌なこと言われちゃいますから…この辺で…。それじゃあ、気を付けて帰ってください…」の言葉を残し、彼はゆっくりと俺に背を向ける。
行っちゃ駄目だ。
引き留めなきゃ駄目だ。
反射的に、俺は去っていく彼の腕を掴んでいた。
そして、彼の目を真っすぐに見て、俺はこう言った。
「必要なもん全部まとめてこい。俺の家が今日からお前の家だ」
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
