ジュブナイリズム【M!LK】前編 (ページ9)

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「いいじゃん。この人が急に辞めたせいで、俺達去年全国大会行けなくなったんだし。それに、板垣先輩のことだって…」

そこまで言いかけて、曽野が山中の体操服を引っ張ったおかげで、俺はそれ以上の言葉を聞かなくて済んだ。
それ以上聞いていたら、俺はこの場で吐いてたかもしれない。

「練習の邪魔して…悪かったな…。すぐ、帰るから…」と、一応言って、俺はその場からも逃げるように去って行った。
まぁ、俺があいつらにここまで言われるのは当然だ。
丁度、全国大会の三日前に俺はこのサッカー部を辞めたんだ。
そして、瑞生も同じ時に学校に来なくなった。
俺と瑞生は、自分で言うのも何だが、サッカー推薦で大学へ行けるという話が持ちかけられるほど、エースストライカーとしてかなり注目を浴びていた。
難なく全国大会の予選も勝ち上がり、当時二年だった俺達は、三年の先輩たちよりも目立っていたっけ。
だけど、あの日をきっかけに、瑞生はいなくなり、俺も辞めて、大会に出場できる人数を切ってしまったため、出場権が無くなって、結果この部活には多大な迷惑をかけることになった。
そこまで、考えてなかったわけじゃないけど、それでも、もう俺にはサッカーなんてできない…。

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