ジュブナイリズム【M!LK】前編 (ページ46)

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何で、こんなことになってしまったのだろうか。
何で、今俺は、着ていた服を一枚一枚脱いでいるんだろうか。
眼鏡をはずし、ブレザーを脱いで、Yシャツのボタンを一つずつ外していく。
その様子を、クラスメートの塩﨑君が、コップに入ったコーラをストローを使って吸いながら興味津々な表情で見ているんだ。

色々な音楽が混ざり合い、暖房の効いたカラオケ店のこの部屋の中、俺は全身に変な汗をかきながら、その汗ばんだYシャツのボタンをまた一つ外す。

「ま、まだ…脱ぐの…？」

「全部だよ」

目の前の彼は、そう一言だけ言って、またストローを吸い出した。
中の飲み物が、ゆっくりと減っていくのが見える。

俺も、何か飲みたい。
緊張と、この暑さで、喉がカラカラだ。

そして、俺はＹシャツのボタンをすべて外し終え、それも脱いで床にゆっくりと落とした。
早く次、と言わんばかりに、塩﨑君はずっと俺の方を見ている。
けれど、これであの写真を消してくれるって言うのなら、それも致し方なし。
自分の欲望も抑えられず、あんなことしてしまった自分がそもそも悪いんだから、これはその罰だと思えば、多少は気がまぎれる。
白いインナーシャツをめくりあげ、それも静かに脱ぎ捨てた。
もう、俺の上半身を包むものは何もない。
汗ばんだ肌が、ありありと塩﨑君の視線にさらされる。

「こ、これで…いいの…？」

俺の声は自分でも驚くほど掠れて、震えていた。
しかし、塩﨑君はまだ首を縦には振ってくれない。

「全部って言ったじゃん」

全部、ということはもちろん。
震える手が、スラックスのベルトを緩め、チャックを下ろす。
それだけで、そのスラックスは簡単に膝の方まで落ちていく。
少しでも時間を稼ぎたいという一心で、俺はゆっくりと片足ずつそのスラックスを脱いでいった。

「早く」

しかし、塩﨑君にはそんな俺の見え透いた手も通用しないようだ。
仕方がないので、そのままスラックスも、靴も、靴下も脱いで、残すは黒いボクサーパンツのみ。
文字通り、今の俺はパンツ一丁となってしまった。