ジュブナイリズム【M!LK】前編 (ページ43)

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「舜太、どうかした？」と、柔君が額の汗をぬぐいながら、俺の隣に走ってやってきた。

「柔君、俺さ…」

「ん？」

「ううん…何でもない」

こんなこと柔君に話しても笑われるだけだろう。
けどもしも将来、就職することになって目の前に面接官がいたとして、

あなたの長所は？あなたの将来の夢は？

なんて聞かれたら、俺には答えられる答えが何もないんだ。
しかし、俺のそんな不安も甘さも、短い高校生の時間が許してくれるはずもない。

何でみんなそんな将来の事に、目を輝かせることができるんだろうか。
何でみんなそんな将来の事が、はっきりと見えているんだろうか。

俺には全然分からない。

「あ、雨や」

放課後の校庭の上に、大きな雨が音を立てて降り注ぐ。

「仕方ないな。渡り廊下で走り込みと、筋トレの準備しよう」

と、柔君が空を見上げながらつぶやいた。
こうやって、また今日も一日が終わっていくんだ。

そう思いながらも、俺は特にその流れに逆らうこともなく、身をゆだねて校庭を後にするのだった。

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