ジュブナイリズム【M!LK】前編 (ページ4)

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『3-2』と書かれたプレートが設置された教室の扉を担任と二人でくぐり、自分の席へと向かった。
男子校である俺の高校の、この教室の席は三十人分。
その中で、今空席になっているのは俺のも含めて二つ。
一つは窓側の前から二つ目。
そして、その列の後ろから二つ目が空いている。
俺はそのうちの一つ、窓際の後ろの席に腰かけて、鞄から筆箱を取り出して机の上に置いた。

「はい、静かに。ホームルーム始めるぞ」
と、担任が声をかけると、ざわざわと口々に喋っていた生徒たちがすっと静かになり、前を向くための椅子を引きずる音が響き渡った。
出席をとるために、担任が教壇の上でクラスメートの名前を読み上げていく。
そして、二人目、
「板垣瑞生、は…。今日も…」

口を濁して、クラスの後ろから二番目の俺には聞こえるか聞こえないかぐらいの声でそうつぶやき、何事もなかったようにどんどんと名前を読み上げて、生徒が「はい」と返事を返していく。
「佐野勇斗」
俺の名前が呼ばれ、俺も、担任には聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で、「はい…」と返した。

続いて俺の後ろの席に座る、「塩﨑太智」「はい」―

そして、クラスの最後「吉田仁人」と名前が読み上げられ、その生徒が「はい」と答えて出席がとられていった。
　