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僕は元々東北の出身で、今年3月に親の仕事の都合でこの東京に越してきました。
中学の卒業式も待たずに。
仲の良かった子とも、ちょっと気になってたあの子とも、大好きだったあの街とも、僕の意見など関係なしにお別れはやってきました。
親は『仕方ない』の一点張り。
だから僕も『仕方ない』、そう思ったんです。
東京に来て、僕は高校に入学して、親の仕事も家も新しくなって、
「あぁ、ここで僕達の新しい生活が始まるんだな」
って、少しだけ期待とか、希望みたいなものを抱いていました。
だけど、
だけど…
4月に入り、高校の入学も無事に済んだ頃、僕の親の様子がおかしくなっていきました。
多分、東京での仕事がうまくいかなかったんだと思います。
高校から帰ってくると、親は僕よりも早く家にいて、ずっと口喧嘩をしてました。
母も父も、イライラして、僕の話も全然聞いてくれない。
そして、5月のはじめ、彼らは離婚しました。
母は実家のある東北へ帰っていき、僕と父はこの東京に残されました。
その時も、僕の意見なんて関係なしで、二人だけで勝手に話を進めて、僕には何にも、理由すらも話してはくれず、誰も僕の話なんて聞いてくれませんでした。
悲しくて、悔しくてどうしようもありませんでした。
僕も家族の一人のつもりだったのに、二人は僕の事なんて、どうでも良かったんです。
そのせいだけって訳でもありませんが、僕の学校生活も、親と同じようにうまくは行きませんでした。
同じ日本なのに、まるで違う国に来たみたいでした。
慣れない土地で、周りは誰も頼る人がいない。
親でさえ、頼ることもできない。
そんな僕に、友達なんてできるわけもなく…。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月11日 18時
