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やはり思った通り、この遊具の上で寝ていた宮世琉弥というこの人物は、俺と同じ高校の生徒の様だった。
しかも一年生だという。
「へぇ…。それにしても、宮世琉弥ね…。変わった名前してるな。俺は…板垣瑞生…です…」
お互い何だかぎこちない、人との会話が不得意な自己紹介まがいなものを終えると、一気に気まずくなってすぐに二人ともうつむいていた。
「あ、あの！警察には…言わないでもらえますか…？補導とか…されたくないんで…」と、急に大きな声で言ってくるもんだから、俺はびっくりして目を丸くしてしまった。
でも、あまりに必死な表情だったから、「言わないよ…。スマホも持って出てきてないし…」と、小さく返して、お互いまた黙り込んでしまった。
「宮世、君？は何でこんなとこで寝てるの？寒くない？」
ずっと黙っててもなんだか気まずいし、かといって、こんなとこでこんな寒空の下寝ていた彼に、興味を惹かれないわけじゃないから、会話を試みる。
引きこもっているからって別に根暗だったわけじゃないし…。
せっかく久々に家を出て足を運んだんだ。
それに、今後、家族以外の誰かと会話するなんて、俺の匙加減だがないかもしれないし。
「あ、えっと…あの…」
もじもじする彼は、答えたくないのか、口ごもってばかりだ。
「答えたくない？まぁ、別にいいけどさ…。じゃあ俺から話そうか？」
何だろ。
自分から自分のことを話すなんて。
自分でもちょっとびっくりしていた。
だけど、よくよく考えれば不思議なことじゃない。
俺はきっと、誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
誰かに話したかったのかもしれない。
だから外に出たのかもしれない…。
まぁ、当の宮世君とやらは、ぽかんとしていて、俺が勝手に話し出したことにびっくりしていたようだが。
それでもお構いなしで、俺は自分のことについて話し出したのだ。
「俺もさ、宮世君と同じ高校の三年なんだよね」
「あ、そうなんですね…」
「まぁ、もう行ってないけど。登校拒否ってやつ」
「は、はぁ…」
「あのさ、そこは、何でですかって聞くとこだよ」
「あ、す、すみません…。な、何でですか…？」
「……。俺さぁ、こう見えてサッカー部だったんだけど…
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月11日 18時
