りんご飴が九個 ページ9
地下室の机の上に広がった試験官やノート。そして使い古したメスが置いてある。
私の研究は呪霊に効果のある薬品。元来の対人間用の薬品では皮膚が爛れるおろか、水のような無反応しか起こさない。
私の術式は幻惑毒式。
血液を毒に変換する術式。つまり私の血から出来る毒の成分が解析できれば、効果のある薬品を量産できるようになるってこと！
いやー本当に素晴らしい術式ですなぁ！
そしてメスを手に取り、ピッと腕を切る。試験官に垂れていった血を見て、反転術式を行使する。
声に出さなくとも心の中で唱えれば術式は発動する。血がブクブクと沸騰するように毒に変わって行く。
真っ赤な鮮血は紫の毒々しい液体に変わり、それを顕微鏡で見るなり液体を混ぜて何やら。
大体造りは分かっているが、毒の原材料に代わるものが思い当たらないんだよねぇ。
強力な毒性を持っている薬草や茸、虫類は全て試したが、私の血までの濃さにはならなかった。
もしかして、人間ではなく呪霊から取れる材料も必要なのかな。
呪霊の血は希少で研究に回すだけで精一杯だからなぁ･･･。それを薬品に落とし込むのは大分時間のかかる工程になるなぁ。
『んま、今日疲れたから此処までっと』
丁度白衣を脱いだときに、スマホが音を立てて鳴り出した。スマホの画面には憲紀ちゃんの文字。応答ボタンをピッと押した。
『もしも〜し。憲紀ちゃんですか〜？』
加茂｢私だ。読みは当たっていた。やはり異能力に釣られた呪霊が根こそぎ全国から集まっているようだ｣
『･･････ほ〜んとだ。呪力反応がえげつない』
加茂｢これから東京校メンバーに電話を掛けて召集を掛けてもらえるか｣
『りょ〜』
加茂｢私も急いで戻ろう｣
白衣をコート掛けに掛けて地下室を出る。ゴゴゴ･･･と地下室がその姿を消し、ただの床に戻った。
ポケットから出したスマホで、釘崎ちゃんに電話を掛ける。3コール目で出た。
『もしも〜し？憲紀ちゃんが情報掴んだから戻っておいで。残り二人にも伝えてちょ！』
釘崎｢了解です！｣
異能力･･･ねぇ。
術式の方が上位互換だと思うけど異能力でもし呪霊が祓えたら私達お役御免じゃん。どうしょ。
まあ、呪いには呪いだから効かないと思うけどねぇ。もし知らずに呪霊に戦おうとしたら笑い者だなぁ。
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通りすがりの樋口 - あなた様は神様ですか！？更新楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2021年8月30日 12時) (
レス) id: 81c14bd0e3 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方＆文スト大好き人間(プロフ) - とっても面白いです！！続きが楽しみすぎる……！！！それでなんですが、第「三」勢力との描写ですが、ポートマフィア、武装探偵社の他に異能特務課もあるので、第「四」勢力とする方が良いかと思われます！ (2021年8月23日 9時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
YUKI - 更新ありがとうございます。この先の物語が気になってしまいます！無理しない程度に頑張って下さい。 (2021年8月20日 20時) (レス) id: e305977ea6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 神作！神作！面白すぎです！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
夏雨(プロフ) - 凄い面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2021年8月19日 15時) (レス) id: f0a52413d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kaoru | 作成日時：2021年8月18日 1時
