溺れる偽愛 (ページ49)

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目が覚めると、そこにはカーテンの隙間から入った太陽の光が部屋を映し出す。

あ、そっか。

私昨日…樹くんと、、、

そう考えるだけで体が熱くなって。

もちろんシーツの中は生まれたままの姿。

でも樹くんの姿はない。

ぬくっと起き上がって床に散らばってる服を無造作に纏い寝室を出る。

すると、目の先にあるキッチンで煙草を吸ってる彼を見つけた。

『あ、おはよう』

「おはよう…」

煙草…吸うんだ。

別に嫌とかじゃなくて、上裸でパンツ姿の状態のまま煙草を吸ってる姿を見ると

今までのかっこよさを更新しているように見えて。

煙草ってあまりいいイメージがなかったけど、好きな人が吸ってるとあんなにかっこよく見えるんだ。

そう思ったら、心臓がギュンとするとともに下腹部が少し疼いた。

昨日の行為を物語るように。

『体大丈夫？痛いところない？』

「…うん。大丈夫」

『そっか、良かった。ココアでも入れるから待ってて？』

「ありがとう」

煙草の火を消した彼は私を安心させるように優しく笑ってそう言った。

酔っ払っていたとはいえ、昨夜の行為は鮮明に覚えている。

樹くんはすごく優しくしてくれて、何度も何度も私に声をかけてくれた。

“大丈夫だよ”

ことあるごとにそう呟いてくれて

行為自体怖くなかったといったら嘘になるけど、彼に大丈夫だなんて言われたら本当に大丈夫なような気がして。

正直、かなり痛かったけど

嫌じゃない痛みで。

やめてほしくないと思った。

心の底から。

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