溺れる偽愛 (ページ34)

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そしてしばらく経って時計を見ると、次の講義の時間で思わず目を見開いた。

「私、講義あるからもう行くね」

『そっか。分かった』

翔「Aちゃんまたね」

「はい！レポート明日返すね」

『忘れんなよ？』

「分かってる！」

レポートを手に持って食堂を出ると、そのまま教室に小走りで向かった。

時間ギリギリで教室に着くと講義が始まるというのにほとんど誰もいない。

不思議に思って掲示板を見に行くと、教授が急な用事で休講と書かれてあった。

「早く言ってよ…」

分かってたら急いで来なかったのに…。

そんな苛立ちが荒い呼吸のせいで募っていく。

もういいや。

開き直って教室から出ると、レポートをやるためにその足で図書館に向かった。

まぁまぁ人がいる中で空いてる席を見つけ、座ってレポートを書き始めると

真隣の椅子が引かれて誰かが座ってきたのが分かった。

恐る恐る目を移すとその人は…

「蓮！？」

蓮「よっ」

あの時コンビニで会った以来の蓮だった。

蓮「講義ないの？」

「突然休講になっちゃって」

蓮「そうなんだ」

「蓮もないの？」

蓮「うん、俺は元々ない」

久々に会ったとはいえ、昔は恋心を抱いていた人物だからか

話すと未だに少し緊張するのはどうにかしたい。

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