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慎太郎にペンを貸したまま、お昼を食べようと紬と学食へ向かっていた。
その途中かすかに女子がざわざわしている声が聞こえて、視線を動かすとそこには…。
紬「あ、田中樹だ」
「田中樹…？」
紬「知らないの？同じ学年で学部も一緒じゃん」
「うっそ…」
視界に映ったのは、同じ学部らしい田中樹という男。
見た目は派手な髪色でアクセサリーも付けている。
典型的なチャラそうな人だった。
確かに見たことある気が…。
紬「かっこいいよね〜樹くん。話したことないけど」
「そうかなぁ…」
女子がざわざわしているのは、彼がかっこいいから？
確かにイケメンなのかもしれないけど、私はあまり近寄りたくないと思った。
紬「でも女遊び激しいらしいよ」
「そうなの？」
紬「うん。言い寄ってくる女の子は全員受け入れてるんだって。しかも取っ替え引っ替え」
「まじ…？」
紬「でもすごい優しいらしいよ。まぁあれだけイケメンで性格も良かったら誰でも好きになるわな」
「えぇ…」
私はそんなの無理。
いくら顔が整っていても性格が良くても、女ったらしな人に魅力は感じない。
私は、田中樹という男を軽蔑な目で見ることしか出来なかった。
後に学食に着くと、このあとはもう講義がないからとゆっくり紬とお昼を食べて世間話なんかをしていた。
なのに…。
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作者名：ちゃぽ | 作成日時：2019年11月29日 17時
