第60話 線香花火 ページ10
悟に学校で誘われたみんなで花火をしようという
青春企画。
すっかり太陽も落ち、コンビニで買ってきた
手持ち花火を開封し、寮近辺で私達の笑い声が
響いていた
｢悟、振り回すと危ないよ｣
｢分かったって。A〜しょうこ〜見て〜｣
空中に描く、何かよく分からないマーク
全然分かってない悟に3人揃ってため息を着い
ていれば、私の傍に寄ってきたのは傑
｢A、火をつける時は貸して。
火傷したら危ないからね｣
『ああ、ありがと…』
ニッコリ微笑む傑にどんな表情で言葉を返して
いいか分からなくなる。
｢ったく、五条が一気に何本も火つけるから
もうないじゃん｣
｢とっておきは残してあるから我慢しろよ｣
そう言って袋を漁り、線香花火を
各自渡される
線香花火はすごく綺麗だけれど
なんでこんなにも切なくなるんだろう
小さい光が花を描き、ただぼぅっとそれを
眺めていれば私の隣にしゃがみ込む傑がポツリと
言った
｢A、線香花火にちょっとした迷信があってね｣
知ってるかい？
なんて微笑む傑、それと同時に
私の脳裏に過ぎる記憶
"線香花火に私達双方の火種をくっつける"
｢線香花火に私達双方の火種をくっつける｣
『…。』
"その火種が落ちる事無く、花を咲かす事ができれば"
｢その火種が落ちる事無く、花を咲かす事が出来れば｣
チョンとお互いの手に持つ合わせられた線香花火、
『……その2人は結ばれる』
"その2人は結ばれる"
合わせられた火種、それは落ちることなく
今も尚、綺麗に光を放っている
｢知ってたんだ？｣
その微笑みを見ることが出来ない
その迷信と、私たちの手に持つ合わせられた花火が
とても綺麗に咲いているから
ねえ傑、
あんたは私の事____
そんな事をぼんやり考えている時
私たちを遠目から見ていた悟が、私達目掛けて
打ち上げ花火をぶっ込んで来た
勿論避けた私達の衝撃により
火種は落ちてしまっていて
『…あ"ーーーーーーー！！！』
｢とっておき、忘れんなよ｣
なんて冷ややかな目で私を見下ろす悟に
危ないじゃん！！なんて私の怒鳴り声が響いた
｢悟のとっておきって言うのは
打ち上げ花火の事だったのか｣
｢…バカじゃん｣
後日、昨日の騒ぎが先生にばれ
頭に鉄拳をくらったのは言うまでもない
続く (更新停止中)
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莉乃(プロフ) - すごく面白いです〜！！もう、大好きです❤️♥️❤️続きを楽しみにしています。 (2022年3月2日 11時) (
レス) id: d96deb1772 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 続きを楽しみにしています！ (2021年9月2日 23時) (レス) id: 9779f450eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xoxo | 作成日時：2021年8月10日 0時
