僕たちの帰る場所3 (ページ49)

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カウンセラー登場ページ49

fk side

ab「こっちに非はないわけだから、毅然とした態度で行こう」
阿部ちゃんにそう気合を入れられて、いざお客さまと対峙した俺。

しかし、彼女は検査結果が信じられない様子で、何度説明を繰り返しても納得してもらえない。
押し問答をすること数回、後には引けないと思ったのか、ついに彼女は

『そちらがその気なら、弁護士を通じて慰謝料請求したっていい。
そうでなくても、この店のせいで酷い目にあったって言いふらされたらどうなるでしょうね…それが嫌なら、自ら誠意を見せるべきよ』

などと無茶苦茶なことを言いはじめた。

隣で援護してくれている阿部ちゃんも、相手の斜め上の返しに徐々に語気が荒くなっている。流石にイライラが募っているのだろう。

屈してはいけない、けれどこのままでは埒があかない。
かといって俺が冷静さを失えば、彼女に俺たちを責める口実を与えてしまうことになる。

さて、どうしたものか。

考えあぐねていた時、ふいにドアをノックする音がした。

(こんな時に何だよ…)

そう思いつつ開けてみると、そこにはアイドルスマイルを携えた翔太の姿があった。

nb「選手交代。待ってるの飽きちゃった」
そう俺に耳打ちすると、阿部ちゃんに代わって女性の向かいに腰を下ろす。

nb「部屋の外まで声が聞こえていましたよ」
優しく語りかける翔太。
彼女は突然現れたイケメンにそんな風にたしなめられて、動揺を隠せない様子だ。

そういえば、前に彼女が来たのは翔太がオフの日だったから、これが初対面か。

しかし、すぐに調子を取り戻し、
『貴方たちがいけないんじゃない』
と噛み付く彼女。

どうするつもりなんだ？翔太…

しかし、翔太が紡いだ言葉は俺の予想もつかないものだった。

nb「僕は心配しているんですよ、貴方のこと」