僕たちの帰る場所3 (ページ39)

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京本くんの第一印象は、「きれいな子」だった。
白い肌にプラチナに近い金髪がよく似合っていて、なんだかすごく儚げだ。

でも喋ってみると、うちのスタッフや友達にも全く引けを取らないぶっ飛びっぷりで驚いてしまった。
特に、お坊ちゃんエピソードの破壊力は半端じゃない。錠剤が飲めないやら、カップ麺が作れないやら、今までどうやって生きてきたのか甚だ疑問に思ったほどだ。

『でもね、そういう時は、ジュリが俺のお世話してくれるの』

dt「なんだ、随分甲斐甲斐しい彼女がいるんだね」
sk「ひええ羨ましい！」

そう返された言葉に、京本くんと阿部ちゃんは目を合わせて笑う。

ab「それが違うんだなあ…」
『これ言うと99%勘違いされるんだけど、ジュリはただの同僚。性別も男。樹木の樹って書いてジュリって読むの』

sk「ええええ！まあ大我に構いたくなる樹くん？の気持ちはわかるけど」

佐久間が大袈裟に驚いてみせるなか、樹という名前を聞いた俺は一つの可能性に思い当たっていた。

fk「ねえ、京本くんって何の仕事してるの？」
『グラフィックデザイナーだけど…急だな』

その質問をするということは、おそらくふっかも同じことを考えているのだろう。

「で、さっきの同僚ってのは」
『そのデザイン事務所の営業担当』

ビンゴだな。
俺がふっかに視線を投げると、ふっかも頷いている。

ab「2人ともどうしたの？樹くんのことそんな気にする？」

「…違ってたらごめんね。その同僚さ、苗字田中じゃない？」
fk「あと、めちゃくちゃ細かったりしない？」

『え、当たり！なんで？』

「そいつ、田中樹、多分俺とふっかの大学の同期…」

「「ええええ！！！」」

恐る恐る発した俺の言葉に、全員の驚嘆の声が響き渡った。