僕たちの帰る場所3 (ページ33)

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iw side

ふっかとネタ被りとは…康二を筆頭にみんなにも散々弄られるし、恥ずかしいことこの上ない。

それはあいつも同じようで、真っ赤な顔で
fk「いや、春といえば桜でしょうが。むしろみんななんで出してないの？」
なんて言って照れ隠しをしている。

ru「まあ言いたいことはわかるよ。でも実は2人とも、夫婦って言われてちょっと喜んでるでしょ。バレてるんだからね」
ab「2人が夫婦なら、ラウがその子供かな？」
ru「わーい、パパー！ママー！」

最年少にまで悪ノリされる始末。

dt「でもこれどっちもめっちゃ美味しい…落とすのもったいない…」
nb「見た目も可愛いしね、人気出そう」

ab「もう、桜シリーズとしてセットで宣伝しちゃえば？」
阿部の提案に、舘さまがぱっと顔を上げる。

dt「そうしよ。いいよね？」
「「さんせーい！」」

その後もみんなでやいやい言いながら試食していく。
食事メニューは、菜の花のパスタやアスパラのオーブン焼き、蛤のワイン蒸しに鰆のスモーク…と春が旬の食材を使った料理が並ぶ。

nb「これ美味い」
kj「え、なに？…ほんまや、うまー！」

ru「僕これ好き」
ab「おお、意外と渋いな」

お前らの方がよっぽど距離近いじゃん…なんて思いながらみんなの様子を見ていると、隙を見てふっかが声をかけてくる。

fk「さっきは焦ったな…でも、ラウの言う通りかも」
iw「お前なあ…」

fk「いや、変な意味じゃなくてさ。照とはなんか通じ合ってる感じがするっていうか」
iw「まあ確かに。でもそれ言うなら他のみんなだってそうじゃん」

俺の視線の先には、ナチュラルに回し食いしてキャッキャしている佐久間と阿部。気づいたふっかはふふっと笑って、
fk「いじり返してやるー！」
なんて意気込んでいる。

fk「でもまあとにかく、俺はお前のことすごく大事に思ってるよ」
去り際にそんなことを言うから、またじんわりと顔が熱くなる。
こいつ、こんなにストレートなやつだったっけ？

(そのセリフ、そっくりそのまま返してやるよ)

俺はひとり、心の中でそう呟いたのだった。