僕たちの帰る場所3 (ページ26)

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事態を理解した俺は、俄然翔太くんの意見が気になってきた。

「じゃあ、どうして挑戦するって決めたの？」

そう聞くと、翔太くんは悪戯っぽく笑ってこう言った。

nb「これ言うとみんなにめっちゃ文句言われるだろうけど…失敗してもいいやって思ったから。
こんなに迷うなら、いっそやってみてから決めてもいいかなって。1年やって無理だって思ったら転職するって決めて会社入って、まあ結果は大正解だったんだけど」

そんなのアリ…？
予想外な翔太くんの言葉に目を丸くしていると、面白がったふっかさんが乱入してくる。

fk「翔太そんなこと言っちゃっていいのー？」

nb「うわっ地獄耳！
ってかふっかもこの店始めるとき見切り発車で俺らのこと巻き込んだんだから、人のこと言えねえだろ」
fk「バレたか…」

出た。俺はこの2人のこういう気を遣わないやりとりが結構好きだったりする。

nb「もちろん、佐久間が言ってたみたいに相応の覚悟は必要だと思うけど、写真撮ってる時の康二の楽しそうな顔見てたら、反対なんて出来ないって。それに、いざとなったら…ね、ふっか」

fk「ああ、この店で雇ってやるよ。最初は超下っ端のバイトだけどな」

そう言って2人して大爆笑している。本当、この2人はただの悪友だな…

fk「というわけで、頑張れよ康二」

え、俺まだ何も言ってないんですけど…カメラマンの道に進むの決定したの…？

まあいいか。2人に言われずとも、みんなの話を聞いて俺の心は固まっていたようなもんだ。

「よし、決めた。俺絶対有名カメラマンになるから、みんな待っててな。あ、先にサインでもプレゼントしとこか」

nb「いいじゃん、もらっときなよ。プレミア付くかもしれないし」
fk「よし、じゃあ今日は、康二の門出を祝して乾杯だな」

そんなみんなの後押しを受けて、俺は本格的にカメラマンとしての修行を積むことに決めたのだった。