僕たちの帰る場所3 (ページ23)

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kj side

「佐久間くん！」

その時ちょうど通りがかった佐久間くんに、早速相談してみる。

「…ってわけで迷ってるんだけど、佐久間くんはどうだったの？ダンスで食べて行こうって決めた時とか、この店に来るって決めた時とか」

俺がそう聞くと、佐久間くんは即答でこう答えた。

sk「俺は元々、ダンスの道以外まるで見てなかったからなぁ…でもやっぱ、ダンスもカメラも、四六時中それと向き合うくらいの覚悟が必要だと思うよ」

いつもふざけ倒しているけれど、ダンスに対しては人一倍強い思いのある佐久間くんらしい答えだ。

「そんなに根詰めて、ダンス嫌いになっちゃうかもって思ったこととかないん？」

sk「あのね、それがめちゃくちゃあるの。意外でしょ？このままじゃ頭おかしくなるー、全部投げ出したいー！とか思ってさ。
でも、ちょっと離れてみたところで結局すぐ踊りたくなっちゃってさ…それくらい好きだからこそ、続けられたんだと思う。今の店だって、みんなのことがすごく好きだから続けられてる」

続いて話を聞いたのは照くん。こちらは佐久間くんとは対照的に、じっくり考えた末にこう答えてくれた。

iw「仕事自体もそうだけど、俺はそれと同じくらい、人との縁って大きなポイントだと思う。
俺は、バーテンダーになったのもこの店で働き出したのも、この人ならっていう魅力のある人に出会ったのがきっかけだったし、それが自分にとってすごく良いことだったと思ってるんだ」

照くんは家庭環境で苦労してるから、人と人とのつながりというものに対する思いがより一層強くなったのかもしれない。

iw「だから、康二もその、裕翔さん、だっけ？その人について行きたいって思えるなら、アリだと思う」

うんうん。
やっぱり照くんは強くて温かい人だ。