僕たちの帰る場所3 (ページ16)

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sk side

nb「もしかして、あのチョコも…」
翔太が青ざめる。

fk「うん、だから、ごめんな」
nb「いや、こっちがごめんだわ」

ab「俺もごめん。気づいてたのに、力になれなくて」

fk「ううん、いいの。でも俺、結局みんなに迷惑かけちゃって、照には怪我までさせちゃって…」

そう言ってうつむくふっかに、みんな何て声をかけていいのかわからない。

その嫌な空気を破ったのは、意外にも普段口数の少ない舘さまだった。

dt「ふっか、俺たちのこと考えてくれたんだよね。頑張ってくれて…って言ったら変な言い方だけど、ありがとう」

優しい声がやけに心にしみる。

dt「でも、一人で頑張らなくていいよって、いつも言ってるでしょ？」

iw「ったく、お前何回目だよ。いっつもいっつも色々背負い込みやがって」

照の言葉も、言い方こそキツいけれどしっかり優しさが滲んでいる。
そして、その言葉がトリガーになったのか、ふっかが照にすがってわんわん泣き始めた。

fk「うう…照～、みんな～、怖かったよお～」

思えばふっかは、ずっとこうやって弱音を吐きたかったのに、耐えて耐えてここまでやってきたんだ。
今くらい、好きなだけ泣かせてやろう。

みんなも同じように思っているのか、しょうがないなあっていう目で2人を見ている。

当の照だけは、急に抱きつかれて、しかも泣かれるという珍しい状況に戸惑っているけれど…ふっかに一番に頼ってもらって満更でもない様子だから、放っておきましょう。

nb「じゃあ、照後は頼んだわ」
そう言って、2人を残して店を出る。

こうして、この店をおびやかすストーカー事件は幕を閉じた。
それからは、ふっかが抱え込むことも前より少なくなったような気がしている。