僕たちの帰る場所2 (ページ17)

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舞台と衣装を任された俺。
仕事柄もあって、舞台の方はそれなりにまとまったけれど、衣装のほうはなかなか決めきれなかった。

ひたすら大人っぽく見せることを目指した中学の時とは違い、今は思い出のあの曲も等身大のものになっている。
それに、他の2曲にもマッチするよう、ほどよくキラキラ感や強さがある衣装でないといけない。

悩んだ末、俺が今回のテーマカラーに据えたのは、黒とシルバー。この2色を使って、それぞれのスタイルやダンスの癖に合うようにアイテムを決めていく。

「涼太にはこのハットでしょ、照はハイネック、ふっかは襟付きで…」
でも、どうしても見つからないアイテムもいくつかあって、俺はあいつを頼ることにした。

「あ、もしもし、めめー？」
mg「翔太くんか。どした」

電話に出ためめの声はテンション低め。多分この電話で起きたのだろう。

「人気モデル、Ren Meguro様のお力をちょっとお借りしたくて」
mg「なんだそれ、調子いいな」

「いや、元はと言えばお前のためだからな」
mg「え？」

「今店のショーで使う衣装探してんだよ。で、ちょっと足りないもんあって、お前なら用意できんじゃないかと思って」
mg「あー、そういうこと。お安い御用っすよ」

変わらないテンションのまま、こともなげに言ってのけるめめ。
「そんな簡単な感じなのかよ」
mg「まあね。何が欲しいの？」

「マストなのは黒のナポレオンジャケットと、ゴツい目のブーツ。ジャケットは阿部ちゃんでブーツは佐久間な。あと、出来ればシルバーのスカーフとネクタイ。シルバーアクセも良さげなのあれば」
mg「りょーかい。明日店行くつもりだったから、持ってくわ」
「サンキュー。恩に着るわ」

そういうことなら、そこで衣装合わせだな。
これは楽しみになってきたぞ。