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ab side
まだまだ残暑厳しい9月。俺は、約1ヶ月ぶりにみんなの元に帰ってきた。
ヒートアイランド現象なのだろうか、この街は実家のある方よりも少しだけ暑い気がする。
「みんな〜ただいま〜」
待ち合わせのカフェに着くと、もうみんな座って待ち構えてくれていた。
sk「わーー阿部ちゃんだー！久しぶり」
dt「おかえり。実家の方はもう大丈夫なの？」
「うん、もうすっかり片付いた」
そう、あの後俺は、しばらく実家に残って家族の時間を楽しみつつ、病院の今後に向けての策も練っていた。
幸い、今働いている医師の一人が後継者として名乗りを上げてくれ、親類縁者に拘っていた親父を俺が説得したことで、この件は無事収束を迎える見通しとなったんだ。
fk「実家のことが大変な時に、色々頼んじゃってごめんな。何しろ、事業資金計画なんて、阿部ちゃんの助けがなければまるでわかんないもんで」
「ほんとそれでよく見切り発車したよな。はいこれ、頼まれてた資料。みんなも見てー。
えっと、初期費用がこのくらい。で、ここに書いてるのが開店後の収支シミュレーションね。固定費や人件費、食材費とかの支出はこのくらいで見てるけど、どうかな。
あとは、客単価や客席の稼働率を考慮して、利益率がこのくらい。よって、投資額を回収するのにかかる期間が…」
fk「待て待て待てストップ。やっぱ全っ然わかんねぇ」
その言葉にふとみんなを見回すと、見事なポカーン状態。
「えー。どっから説明したらいい？」
sk「最初からだな」
「はいはい。じゃあまず、お店をやるために必要なものはなーんだ」
と、そんな感じでワイワイやっていると、あっという間に1時間近く経っている。
「…大体わかった？そしたら、今度はこれ持って銀行回りだな」
fk「はあ、緊張する…」
iw「阿部ちゃんがちゃんと計画立ててくれたんだから大丈夫だって」
nb「ふっか、阿部ちゃん、お願いしまーす」
そんな声に推されて、俺たち2人で融資を頼みに行くことになったんだけど、これがなかなかの関門だったんだ。
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年1月15日 1時
