検索窓
今日:21 hit、昨日:22 hit、合計:532,472 hit

生きていれば ページ25

iw side


阿部の実家へと向かう道中。
さっきから、隣に座るふっかがやけに落ち着かない。

まあ、友達の親を説得しに家に乗り込むなんて、人生の中で一度あるかないかだろうから、無理もないか。
舘さまや翔太を説得した時とはレベルが違う。

fk「あああ、もうどうしよ…」

「お前自分で立候補しといてそれかよ」
fk「お前こそなんでそんな余裕なんだよ」

馬鹿、俺だって余裕なんてないけど、必死で平静を装ってんだよ。
でも、覚悟は出来ている。阿部の両親を説得して、自分自身の嫌な思い出ともきちんと向き合う。


しばらくしてたどり着いた目的地は、予想していたよりさらに巨大な家だった。
そういえば、阿部の実家に来るのはこれが初めてだ。

「ふっかもここ来るの初めて?」
fk「ああ、阿部ちゃん昔から家に人を呼びたがらなかったし」

「そっか。その頃から色々抱えてたんだな。…行くか」
fk「よっしゃ」


門の前に立つと、自動で開く。
どこかにカメラでも付いているのだろう。

出迎えた阿部の父親は、阿部によく似た濃い顔で、やはりなかなか威厳のある男だった。

『君たちか、亮平の友人というのは。亮平と、私にも話があるそうだな』

fk「はい、深澤と、こちらが岩本です」

『そうか。こちらへ』

長い廊下を渡って、突き当たりの応接間に入ると、阿部が待ち構えていた。

ab「いらっしゃい。バレちゃったみたいね。まあ座ってよ」

笑顔だけど、明らかにご機嫌ナナメの阿部。
ab「わかってるけど、一応聞くね。話って何?」

「どうしても阿部の力が必要なんだ。店を出す話、もう一度考え直してくれないか」

ab「やっぱりね。でもごめん、もう決めたんだ。俺はここを継ぐ」

『亮平もそう言っていることだし、もう勘弁してもらえないかね』

だめだ、ここで諦めちゃいけない。
けど、なんて言ったらいいんだ?下手したら怒らせておしまいだ。

そう、俺はちゃんと考えていたのに…


fk「…本当に、阿部ちゃん自身が決めたことですか。
あなたが会計事務所を潰そうとしていたこと、聞きました。それだけじゃない、小さい頃から、彼のことを抑圧してきたんじゃないですか」

『お前、なんて失礼なことを!』


相棒は、相変わらずギャンブラーだったみたいだ。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (283 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
953人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 雪男 ,   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2020年1月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。