僕たちの帰る場所 (ページ23)

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fk side

sk「阿部ちゃん、お断りだったんだろ。だったら俺も乗らない。悪いな」

佐久間からそう連絡があった時、違和感に気付いて本当に良かったと思う。

「…佐久間お前、なんで阿部ちゃんが断るってわかったんだよ」

sk「…あー、阿部ちゃんちょっと家の事情で…」

「え？」

sk「病院継ぐって…」

「あれだけ嫌がってただろ、なんで！」

sk「…えーっと、みんなには言わないでって言われてたんだけど…」

「いいから言え！」

sk「阿部ちゃんの会計事務所、親父さんに圧力かけられてたみたいでさ。会計士として病院に戻って、医者の嫁さんもらって病院継げって無理強いされて…」

まじかよ、何だよそれ。親として最低だ。
それに、阿部ちゃんまで俺らに黙っていなくなる気だなんて、そんなのなしだって。

sk「怒ってるよな。でも、わかってやってくれ。阿部ちゃんだってきっと相当悩んだんだ。
事務所相当追い詰められてたし、今店の話に乗ったりしたら、今度はその店が潰されるのは目に見えてる。それに、たとえ最低の親だったとしても、阿部ちゃんにとっては切っても切れない家族なんだ」

「だからって、黙っていなくなることないって」

sk「言ったらみんな追いかけてくんだろ。それじゃ意味ないじゃんか」

確かに、そう言われたらその通りなんだけど…

「ああそうだよ。わかっちゃった以上、俺は阿部ちゃん連れ戻しに行くからな」

それの何が悪いってんだ。