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*126* ページ4

突き放す…?
誰が?私が…?

私を射抜く瞳が、少しだけ揺らいだのが見えた。

ほんの少しずつ、止まっていた思考が動き出す。
動き出した思考のおかげで気が付いた。

肩に添えられた手が、小さく震えている事に…。

ああ、この人は不安なんだ。
突き放されるかもしれないと…。
私が、突き放すわけないのに…。

少しだけ開けられていた距離を埋めるため、私は斎藤さんへと倒れ込むように抱き着く。


貴女「迷惑だなんて思いません。
突き放すなど、あり得ません。すごく、嬉しいです…」


今度は緩く、優しく私を包む腕。
その腕の震えは止まっている。

私の耳のすぐ近くで、斎藤さんが小さく笑う吐息が聞こえた。


斎藤「心変わりがないようで、良かった」


…………はい?
心変わりが、ない?


貴女「あの、それはまるで、私の気持ちを知っていたような口ぶりですが…?」

斎藤「ああ、知っていた。
だが、あんたが秘めると言っていたからな」

貴女「えーっと、あの…、もしかして…」

斎藤「雪村とあんたの会話を聞いていた。偶然だが」

貴女「なっ!!?」


勢いよく顔を上げれば、ほんの少しだけ口角を上げて笑っている。

あの会話を聞いていたなんてっ!
は、恥ずかしすぎる…っ!!

顔が、熱い…っ!

きっと私の顔は真っ赤だろう。
それも恥ずかしくて、見えないようにもう一度、斎藤さんの胸に顔を埋めた。


貴女「………私と一緒だと、大変な事ばかりですよ?」

斎藤「あんたと共になら、苦労だとは思わん」

貴女「………新選組にいる時より、忙しくなるかもしれませんよ?」

斎藤「忙しい方が、俺の性に合っている」

貴女「………私が重荷だと感じたとしても、離せませんよ?」

斎藤「元より離れるつもりも、離すつもりもない」


この人は、とても頑固だ。
でも今はその頑固さが、嬉しくて仕方ない。

緩く回された腕に力が入る。
それは強く、でも先程とは違う強さで……?
あれ?違い過ぎるような…。


貴女「斎藤さん…?」

斎藤「うっ…、はぁ…っ」

貴女「だ、大丈夫ですか?!」


顔を上げると、そこには真っ白に変わった髪と赤い目。
あの違和感を覚えるほどの力の入った腕は、苦しみを耐えようとしたものだった。

すぐに斎藤さんから離れ、その身体を支えながら木に凭れ掛からす。
そして血を飲むように促すと、斎藤さんは苦しさに震える手で、自らの刀を引き抜いた。

*126*→←126話:通じ合う心



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まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時

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