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町をブラブラと歩いていると、
一つの物がふとめに入った。




A「これ、すっごく綺麗ですね!」




私の目に止まったもの。

それは小さな桜が連なってぶら下がっている簪。

こんな桜の簪が出るなんて、
もう春なんだと実感させられる。




原田「やっぱりお前も年頃の娘なんだな」

A「どういう意味ですか?私も21ですよ」

原田「まだまだガキだと思ってたけど、もう21か…」




そう言いながら、
私が見ていた簪を原田さんは手に取る。

持ち上げると、
小さくチャラッと桜たちがぶつかる音がして、
それがまた綺麗だった。

だけど、今の私に簪なんて必要ない。

袴姿の男装。
まだまだ戦いは終わっていない。


……簪を、付けている場合ではないのだから…。




A「原田さん?」

原田「お前に買ってやるよ」

A「でも、私は簪なんて…」

原田「付けられるようになったら、
付けたらいいじゃねえか」




笑顔でそう言うと、
簪を持って店の中へ入って行ってしまった。

引き止める事も出来ず、
呆然と店先で待つことしか出来ない。

暖簾を押し上げて出てきた原田さんの手には、
小さな箱が握られている。

そして、その小さな箱を私へ差し出した。




原田「いつか、付けた所を見せてくれよ」

A「……いつか見てください。
必ず付けますから」

原田「約束だからな」

A「はい!
ありがとうございます。大事にします」




原田さんから受け取った小さな箱を胸に抱き、
必ず約束を果たそうと心に誓った。

106:二人の脱退<雪村千鶴>→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

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