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A「あれだけの兵士がいて、
欺けるのかな…？」
風間「抜かりはない。
近藤捕縛を実行する兵士は我らの同胞だ」
A「さすが！あとは土方さんたちが、
この建物からいなくなってからだね」
中の会話に聞き耳を立て、
私たちはその瞬間が来るまで待った。
土方『千鶴、行くぞ』
A「……行ったみたいだね」
風間「行くぞ」
私たちは目線で合図を送り、
窓から近藤さんの部屋へ入った。
近藤さんは目を見開いて驚き、
井上さんは終わった事に安堵したのか、
額から汗を流していた。
井上「バレるのではないかと、ヒヤヒヤしたよ」
A「いつか会えるって言った時は、
上手い言い方したなって思いました」
井上「そうかい？
なるべく嘘は付きたくなかったからね」
近藤「A君！これは一体…」
A「近藤さん、覚えてらっしゃいますか？
私に貸しがある事を」
何のことだろうか、
とでも言いたそうな表情でこちらを見ている。
もちろん忘れたなんて言わせない。
近藤さんが狙撃され、
肩の傷を私の血で治した時だ。
お礼をせねばと言う言葉を断り、
貸しを作ると言ったんだ。
あの時は、
お礼をと言われた断り文句でしかなかったんだけどね。
A「まさか、
ここで使う事になるとは思いませんでした」
近藤「しかし、俺は…」
A「私は、近藤さんは本物の武士だと思っています。
約束を違えるような人ではないと思いますし、
貸しを返さずに逝くような人だとも思っていません」
近藤「それは、そうだが…」
A「近藤さん？私は鬼ですから。
鬼へ作った貸しは大きいんですよ？
あなたに拒否権はありません。強制です」
ニッコリと少しの黒さを纏った笑顔を向ければ、
近藤さんは困ったような笑いを見せる。
鬼の中に、そんな規則も掟もないけれど、
嘘も方便だよね…？
A「新選組は鬼と結託をした時点で、
自分たちが死にたい場所で
死ねないようになってしまったんです。
何とも残念な話ですよね。
あなた方の命は、
私が握っていると思っていただけると嬉しいです」
近藤「……何とも、鬼とは怖いものだな。
俺も武士の端くれだ。貸しはきっちりと返そう」
近藤さんとの折り合いも付き、
ちー君は持って来ていた骸をその場に転がした。
その骸には、
近藤さんが普段着ている物に似た着物が着せられている。
もちろん顔は全然違うわけだが…。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月26日 17時
