【薄桜鬼】純血を巡る者６ (ページ28)

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１１５：借りを返すページ28

慶応４年６月末。

会津に来て三月の時が流れようとしていた。

ほぼ毎日、
大小関係なく戦いは行われている。

そして山南さんと出会った二週間後。
平助君が私たちの所へ、
山崎さんからの報告を持って来てくれた。

その報告の内容に耳を疑ったんだ。

白河城は、
綱道の羅刹の巣窟となりつつあるらしい。

それに綱道は、白河城をまがい物の研究機関にしており、
白河城内にいた兵士たちを実験台にしているのだとも…。

あの人はどれだけの人々を、
鬼を苦しめるのだろうか…。

綱道の目的は雪村家への復讐。

それを果たす為の実験…。

私が襲名してしまった事で、
綱道の行動を行き過ぎたものにしてしまったんだろうな…。

キンッ！

斎藤「何奴？！」

？？「くっ！
新政府軍にも、腕の立つやつがいるとはな！
って、さ、斎藤？！」

少し離れた場所から剣戟が聞こえて来たかと思えば、
斎藤さんの名を呼ぶ人の声。

急いで木から降りて、声がした方へと走る。

そこで目にしたのは…。

A「永倉さん！」

永倉「へっ？！Aちゃん？！
何だ、Aちゃんは斎藤と一緒だったのか！」

A「お元気そうで何よりです！」

斎藤「新八、左之と一緒ではないのか？」

すると永倉さんは目を少しだけ伏せ、
言い辛そうにしている。

そんな永倉さんの口が開くまで、私たちは待った。

永倉「上野で用事があるって言ってよ、行っちまったんだ。
その後で情報が入ってきたんだが、
上野の寛永寺で立て籠もってた彰義隊に対して、
新政府軍が攻撃を仕掛けたらしくてよ…。
それ以来、左之と連絡が取れてねえんだ…」

斎藤「そう、か…」

A「……永倉さんは、
これからどうするんですか？」

永倉「あ？俺はこれからも戦うぜ！」