【薄桜鬼】純血を巡る者６ (ページ13)

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１０７：嫉妬ページ13

原田さんたちが脱退して一週間。

未だに心には、
ぽっかりと穴が開いたようになっている。

今頃、何処で何をしていらっしゃるのだろうか…。

風邪など引かず、
元気にやってらっしゃるといいな…。

夜だというのに、縁側から足を投げ出し、
そこに寝転んで月を見ていた。

ここ最近は、天霧君やちー君が訪ねてきて、
互助の話を詰めている。

A「私は、私の信念を、
貫かせてもらいますね」

誰に聞かせるわけでもないけど、
声に出して言いたかった。

もうすぐ、この屯所からも移動する。

土方さんがそう言いだしたのは数日前だった。

あの二人がいた最後の屯所。

そこを出て行かなくてはいけないのが、
何とも寂しかった。

？？「う、ぐっ…」

静寂を破る呻き声。

とても小さい声だったけれど、
これだけ静かで、
縁側に出ていた私には聞こえてしまった。

A「衝動…っ！」

私の部屋の隣の部屋。

そこは斎藤さんの部屋で、
そこから呻き声が聞こえてきたんだ。

すぐにそれが吸血衝動だと気づき、
寝そべっていた体を起こして、
斜め前にある障子の前に座った。

なるべく小さな声量で声を掛ける。

A「斎藤さん？Aで、きゃっ！」

障子が開いたかと思うと手が伸びてきて
腕を掴まれ、中へ引きずり込まれた。

その勢いで倒れかかったけれど、
それを部屋の主である斎藤さんの手によって支えられる。

後ろから抱き締められるような体勢で、
斎藤さんの顔が首筋に埋められ、
荒い息が首筋に掛かって擽ったい。

A「お辛いのでしょう？早く、血を…」

斎藤「あんたは…っ、う、ぐっ…」

A「お話は後でお伺いします！今は、早く！」