＊＊＊＊ ページ10
A「私の不注意です。
私が悪いんですよ。
だから、いいんです」
土方「市中で、千鶴を攫った奴らと同じ鬼だよ」
A「いやだなぁ、土方さん。
言いたくなかったのに」
土方「言いずらそうにしてやがるから、
代わりに言ってやったんだよ」
土方さんがここにいるという事は、
伊東の方は終わったのか…？
それにしても、あの熱を出した日から、
さほど日にちは経っていないはずなのだが…。
斎藤「それは、いつ？」
土方「こいつが熱を出しやがった日があんだよ。その時だ」
俺が、ここに来た日？
俺が…、ここを離れた後って事か…？
A「もう！熱の事も言う気なかったんですけど！」
土方「はぁ？！
別に言って困るような話じゃねえだろ！」
A「………熱があるのに、
無理に動いた私が悪いんですけど…」
土方「まったくだ。
俺たちまで、理由を付けて退かしやがって」
A「あれ？まだ怒ってるんですか？
それとも、拗ねているんですか？」
土方「ああ？！拗ねてねえよ！」
土方さんとの言い合いの後、
Aはフフッと笑う。
俺が出て行く前よりも、
仲が良くなっているような気がするのだが…。
俺は何を考えている？
相手は土方さんだ。
なのに…。
あぁ、嫌だ。
激しく苛立つ。
醜い嫉妬だな…。
A「でも、斎藤さんが戻って来たのに、
お顔を見れないのは残念ですね」
土方「もう傷が塞がって来てんだ。
治ってから飽きるぐらい見ればいいだろうが」
A「……そうですね。そうします」
土方「斎藤。またAの隣の部屋になるが、いいか？」
斎藤「俺は構いません」
土方「つうことだ。良かったな、A」
A「なっ！何故私に振るんですか！」
包帯をしていても分かるほどに、
Aの顔は赤くなっている。
何故、そのような反応に…？
土方「俺は近藤さんの所へ行ってくる。
こんな場所で喋って、また風邪引くなよ」
A「だ、大丈夫です！もう…」
去って行った土方さんの姿が見えなくなるのを確認し、
もう一度Aに向き直る。
そして手を伸ばし、
Aの頬に触れる。
A「……どうしました？」
斎藤「治るん、だな？」
A「はい。
時間は掛かりますが、ちゃんと治ります」
斎藤「見えるようにも、なるんだな？」
A「もちろんです」
手に触れる頬は滑らかで、
フフッと穏やかに笑うAの口角に合わせて動く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月19日 7時
