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解いて置いていた
真新しい結い紐を
斎藤さんに差し出す。

だけど、斎藤さんはそれを受け取ろうとはしない。


いらないのかな?
もう結うだけの長さはないし、いらないか。




斎藤「俺の御下がりでよければ、
それはあんたが貰ってくれ」

A「え?いいんですか?」

斎藤「俺には必要なくなったからな。
使って貰えるなら、勿体ない事もないだろう」

A「ありがとうございます!
大切に使いますね」




お礼を言えば、
斎藤さんは口角を上げるだけの微笑みを向けてくれて、
そのまま部屋を出て行った。


私の結い紐、草臥れてきてたんだよね。
ちょうど新しいのが欲しいと思ってたんだ!

しかも、斎藤さんの御下がり…。
ちょっと、嬉しいな…。


………何で嬉しいんだろう?
………本当、最近の私はおかしい。


それでも結い紐が貰えた事が嬉しいのは事実で、
すぐに髪を解いて
貰ったばかりの結い紐で結い直した。

そしてその上から、
初めて土方さんに貰った結い紐を重ねる。


これはどれだけ草臥れても捨てられない。

新選組に来てから初めて貰ったものだし、
京での思い出が詰まっているから。




A「まるで、頭に
土方さんと斎藤さんを乗っけてるみたい」




そんな事を想像すると、笑みが零れた。




山崎「一人でニヤニヤしていると、怪しいぞ」

A「うわっ!び、ビックリした…。
山崎さんも切っちゃうんですね」

山崎「俺だけ長いわけにはいかないだろう」




バサバサと髪を切る。

山崎さんも、短い髪が似合うなぁ…。

何で新選組の人たちって、
端正な顔立ちの人ばかりなんだろう。




山崎「ありがとう。こんな短い髪は幼い頃以来だ」

A「そういえば、山崎さんも洋装なんですか?」

山崎「俺は監察方だからな。
今まで通りでいいと思ってるんだが…」

A「いいと思います!
似合ってますし、あのままの方が好きです」




あれ?それならやっぱり、
髪を切る必要はなかったんじゃ…。


もう切ってしまった為、
そんな事を思っても後の祭りなのだが…。

あと髪が長いのは誰かと考えたけど、
残りは近藤さんぐらいだろうと踏んで、
後片付けをし始める。

近藤さんの髪は、
私が触っていいものじゃないだろうし。

それに、近藤さんも切るとは限らないしね。


全ての片づけを終えて、部屋を出た。

101:霞んだ月→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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