【薄桜鬼】純血を巡る者５ (ページ26)

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二人の姿を見つけた先。
銃を持って立っている三人の兵士に気付き、

真っ黒い口布を鼻まで上げて
瞳を金色に、髪を白く変化させて土方さんの肩を掴んだ。

A「ちょっとお借りします」

土方「な、何すんだっ、ちょ、待て！」

地面を軽く蹴って土方さんの肩に乗ると、
その肩を踏み台にして飛んだ。

ドン、バン、ヴォンッ！

千鶴「A！」

井上さんの目の前に飛び降りた私に放たれた銃弾は、
一発は頬を掠め、
残り二発は右肩と左脇腹を貫いた。

頬から流れる血。
射抜かれた肩と脇腹に走る電撃。

でも、それだけの事。

私に付いた傷は、既にないのだから。

A「姉様を庇ってくださって、
ありがとうございます」

井上「A君！何をしているんだ！」

A「心配はいりません。
既に銃創は塞がっていますから」

井上さんの方を振り向いてニッコリと笑ってみせれば、
強張った表情だったけど、
ほっとしたような表情に見えた。

あ…、
その後ろに立っている二人の顔は怖いけど…。

うん。見なかった事にしよう。

A「井上さんと姉様を狙った事、
後悔してください」

兵１「何だと？！」

私は懐からある物を取り出し、
それを兵士たちに向けた。

ヴァン！ヴァンヴァン！

兵１「ぐはっ！」

兵２「うぁっ！」

兵３「ごはぁっ」

A「だから、後悔しろって言ったんだ」

銃口から出る煙。
火薬の臭いが鼻を突き刺す。

まさかこんな所で、
昔、匡ちゃんに貰った銃が役立つなんてね。