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A「まがい、物…?」

鬼4「ぎゃはははっ!知ってる!
知ってる、知ってる!こいつは知ってる!」

A「まがい物を、飲んだのか!?」

土方「何?!」

原田「ちょ、ちょっと待てよ!
まがい物って俺らの変若水だろ?!」




原田さんの言う通りだ。
まがい物は新選組が秘密裏に研究していた物のはず。

何でこの鬼たちが…?

いや、今は考えてる暇はない。
この鬼たちを絶対に逃がしてはいけない!

幸い鬼たちの動きは遅く、
力は桁違いに強いが、動きが遅いなら勝機はある。




A「今、楽にしてやる…」




距離を取るように後ろへ飛び、
そして、速度を上げて鬼たちに飛び掛かった。


誰が、こんな事を…?
頭領の座が欲しいだけで、
鬼にまがい物を飲ませるなんて…。

許せないっ!


大通連で一人の鬼の首を斬り、
小通連でもう一人の鬼の心臓を突いた。

首を斬った鬼の体はグラリと揺れ
屋根から落ちた。
もう一人の鬼に刺さった小通連を抜こうと、
鬼の体を蹴って落とす。

ドサッという音を立てて落ちた骸を見下ろしていた。

視界の端に映る浅葱色の羽織。
ふと目線をそちらに向ければ、
手当てから戻ってきていた永倉さん。
それに斎藤さんに沖田さん、原田さん。
姉様を抱えた土方さんの顔が見えた。

まるで化け物を見るような目で私を見てる…。


そんなに私が怖いですか?
そんなに私は気持ち悪いですか?


ため息のような深呼吸をしてから屋根を降りた。




沖田「大丈夫?」

A「はい。先ほどはありがとうございました」

原田「血まみれじゃねえか」

A「気持ち悪いですよね」




顔や体、真っ白だった髪には
返り血がべったりと付いていた。

俯いた顔を上げる事が出来ない。


あの目で見られていると思うと、怖い…。


俯いたまま顔を上げないでいると、
急に優しく何かを頭から被せられた。

視線を横に向けると、映るのは浅葱色。
後ろを振り返ると、
羽織を着ていない黒い着物が見えた。




A「よ、汚れてしまいます…」

斎藤「構わぬ。その羽織は何度も汚れているからな」

沖田「そうだよ。大丈夫、大丈夫」




また急に頭を押さえられたかと思うと、
ガシガシと頭を拭くように動かされる。

血が付いた部分が
浅葱色から紫色に変わって行く。




沖田「Aちゃん強いね。
今度僕と手合わせしてよ」




思いがけない言葉に思わず顔を上げてしまった。
沖田さんの顔を見れば、
優しい笑顔で笑いかけてくれていた。

*あとがき*→←21:まがい物



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

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